言葉の壁をその場で壊した瞬間

僕は日本語でメキシコ人とモンゴル人に意思が通じたことがあります。
もちろん、相手は日本語など知りません。
英語もしりません。
お互いに母国語しか知らない状態でした。(多分)
まさに、ドン!と出したらはずみでバン!と通じた不思議な感覚でした。
自衛隊時代にアメリカへミサイルを射ちに行った時のこと。。
「あなたもCIAになりませんか?」という大きな広告看板が目立っていたロサンゼルス空港でのことです。
マクドナルドばかりも飽きてたので、空港ロビーの一角にあるメキシコ料理店に行きました。
メキシコのファーストフードを出している店のようです。
注文は手元のカタログを指でさせばOKなので
お金を払い、後はメキシコ料理を受けとるだけ。
簡単簡単、誰でもできます。
言葉が喋れなくても、飯は食えますね。
しばらく待ち
料理がでてくると、
メキシコ人が何か言ってます。
メキシコ人「くぁwせdrftgyふじこlp」
僕はさっぱり分からず、首をかしげていると、「う~ん」という感じで、言葉を探していました。
メキシコ人「レシート!」
つたない英語が帰ってきました。(失礼)
どうやら、料理と引き換えにレシートがいるみたいです。。
アメリカのマクドナルドでは、散々レシートとの引き換えだったのに、アメリカ旅行に勢いついていた僕は、レシートをもらった瞬間にゴミ箱へ捨てていました。
探しても汚い包み紙ばかりでみつかりません。
お腹減って死にそうだったので、レシート探索を諦め
僕「レシート ロスト!
アイアムレシートロスト!!」
と必死に懇願。
メキシコ人「?」
あかん!
ロストが通じてないみたいや!
必死にゴミ箱を指差し、ロストロストロストと叫ぶも、全くわかってもらえない。
メキシコ人は、レシートを持ってない奴はタダ飯を食おうとする不届きものだ!とでも言わんばかりの目で見てくる。
お腹ペコペコなのに、料理が出てこない絶望(とすでに高いお金を払った)が合わさり、僕は世界の終わりのような顔をしていた。
料理に忙しくこっちを見てくれもしないメキシコ人も、僕のゴミ箱に頭からダンクしてしまいそうな勢いのジェスチャーに驚いたのか
「レシートロスト!」の連呼を真剣に聞いてくれている。
でも通じない。
こうなったらやけっぱち
僕「レシートをゴミ箱に捨てたんや!探しても無いんや!」
と日本語で叫んだ。
・・・
メキシコ人「OK!」
通じた。
英語だと通じなかったのに、日本語で(お腹が減って死にそうだということを)心を込めて伝えると、伝わった!!
今まで、言語の壁という超えられないデカイ山に阻まれていたけど、そこに大声で日本をぶつけたら山がその瞬間だけ無くなって意思だけが
ドン!バン!
とメキシコ人に通じた瞬間だった。
想いを乗せれる母国語の力なのか。
ただ、メキシコ人が諦めただけなのか。
なぜ通じたのか。
たぶん僕とメキシコ人、お互いが抜き差しならない状態にまで追い込まれ
「ここで意思が伝わらないと二人とも先に進めずどうにもならない」
と、お互いが思い真剣にどうにかしたいと考えていたからこそ、意思が母国語に乗ってダイレクトに伝わったんだと思う。
二人の意識が同じところにあれば、コミュニケーションは誰とでも成立する。
だから、ぐろーばりぜーしょんの時代であっても、英語など勉強する必要はない!(なんてことにはならないか…)
出てきたメキシコ料理は結局、かなり不味かった。
しかし、大きな戦いの後の充足感もあり、なんとか全部食べ切れた。
もうメキシコ料理など二度と食べないと誓いながら、ロサンゼルス空港を飛び立ったのである。
終わり
追伸
モンゴルの話はまたどこかで書きます。
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