映画「リンカーン」とアメリカ の自由について思うこと

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映画館でリンカーンを観てきました。
期待通り、アメリカの自由に対する思想の根本に繋がるお話でした。
以下に、映画を観てなんとなく思ったことをつらつらと書いて行きます。
南北戦争でアメリカは黒人奴隷解放を成し遂げます。
この戦争で、両軍合わせて62万人もの死者を出し、これはアメリカがこれ以降、今日まで体験している戦役史上、最悪の死者数になっています。
国内を南北に二分する激しい戦争をやってまで、自由という建国の理念を実現させようとしました。
そしてアメリカは、イギリスからの独立戦争と南北戦争を経ることにより、二つの戦争の旗印になった自由というものへのこだわりをアメリカ国民が持つに至りました。
この自由へのこだわりは、アメリカという国の成り立ちにあると思います。
アメリカのような形で誕生した国は他には知りません。(知らないだけの可能性も高いですが)
ご存知の通り、アメリカ人はアメリカ大陸の現地人ではありません。
ヨーロッパからやってきた人たちです。
その人たちが、自分たち自身でもあるヨーロッパのイギリスから独立するという姿は、なんだかよくわかりません。独立なんてする必要があったのか?と思ってしまいます。インディアンにとっては、他所から来た人どうしで勝手にやりあっているだけにしか見えなかったでしょう。
これは、ヨーロッパからやってきた人の子孫がアメリカで生まれ育つことで、アメリカ人であるというアイディンティティを持ったからかもしれません。でもそんな歴史の短い想いだけでは、独立することへの大義が薄弱であると思います。
だからアメリカ人は、独立するための大義の拠り所を自由というものに求めたのではないでしょうか。
自分たちの行動を正当化するために、自由という理念を大義の旗印にしたのでしょう。
これゆえに、アメリカ人は自分自身の存在意義を正当化するものとして、自由という概念を強く意識することになりました。
そしてその結果現代のアメリカは、この自由という理念を世界に広めるべく、世界中で多くの戦争を行っています。
地球の裏側へも派兵して、無人機で人を殺しまくっています。
一般的に、アメリカがここまでやる理由として言われているのは、石油や資源の利権を得るためや、国内の兵器産業に配慮して、といった話です。
「金のために戦争をするなんてけしからん国だ!」などとみんなから思われています。
でも僕は金のためだけに、ここまで世界中で戦争なんかできるとは思えません。
アメリカが戦争をする理由は、上記の建国の理念である、自分たちが信じる自由の正しさを証明するためです。
この自由を世界に広めることで、自分たちの自由が正しいものであり、優れたものであることを認めさせたい。
そうすることで、自分たちが間違った存在ではないということを、常に確認したいのではないでしょうか。
もし、戦争に負けて自由の理念が否定されでもしたら、アメリカ人は自分たちの存在根拠に自信が持てなくなってしまいます。自分の存在が間違っているとの強迫観念に囚われてしまうことでしょう。
それほど、自由という言葉が持つ力は強くて厄介だと言えます。
しかし現代のアメリカは戦争に勝てなくなってきました。
今後、他国に自分たちの自由を広げることが出来なくなるにつれて、アメリカは自由という言葉の定義を見直す必要に迫られると思います。
その時に、アメリカがどういった物語を受け入れるのか。
僕はうまく思想を軟着陸させて、アメリカが今後も自由を大切にする国であって欲しいと思います。
こんなとりとめのないことを思いました。
なかなか良い映画でした。
おわり。

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