凍った窓の外の世界

凍った窓を見た時、すごく不安になった。

結露だと思ったものが凍っているのを見た時、安全なこちらの世界が凍った外の世界によってこちらに浸食されつつあるような感覚をうけた。

僕にとって窓というのは今の今まで、外がどんな状態であっても自分を例外無く守ってくれつつ景色をも見せてくれる都合の良い壁だった。

でもその万能だったはずの窓が外の寒さに浸食される姿を見て、目的地を目指して走る暖かい車内が急に不安定な場所に変わってしまったような衝撃を受けてしまった。

車内を不必要なぐらいの爆音でモンゴル音楽が流れているのも、この不安感を覆い隠すためなのかもしれないということに気づいてさらに不安は募った。

「今ココで車が壊れて暖房がストップしたら死ぬかもしれない」

そんな恐怖が僕の中をかけめぐりながらも、思考は平衡を求めてかけまわりはじめた。

「何が起きたとしても自分の命は運転手に委ねるしかない」

思えば今までの人生で誰かに命を預けてしまうような瞬間はなかったとおもう。

でもよく考えたらここでも対向車は走っているし、別に車が壊れて暖房がストップしても死ぬことはないだろう。

寒さは心をも凍らせてしまうのか、不必要なぐらいに狼狽させてしまうのかもしれない。

やっぱりモンゴルの自然は一筋縄では行かない。

五感のぜんぶに迫ってくるモンゴルの自然は常に自分を小さくしていく。

自分を覆っている殻のようなものがはぎおとされていくのを黙って見ている自分が、退化しているのか進化しているのかは、未だわからない。

でも少しずつ自然体に近づいて行けているような気がして、僕が今後どう変わっていくのか少し楽しみでもある。

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