中国のタクシー乗り場は民主制の衆愚政治を体現していた

駅前のタクシー待ちシステムが衆愚政治

酒泉と敦煌では、駅前にタクシーが、一列になってお客さんを待っている。

タクシーが止まっている道路の左右には柵があって、タクシーは順番に一列でしか並べない仕組みだ。

これは先頭からお客さんを順番に乗せていく公平なシステムのようだが、これでは先頭のタクシーが出発しないと他のタクシーも動けないという問題がある。

タクシーは先頭から客が入るわけではない

どういうことかと言うと、運転手は駅の中まで入ってきて客引きをするもんだから、先頭のタクシー運ちゃんがお客さんを捕まえられるとは限らない。

しかも先頭のタクシーは、長い列を並んでやっと客を捕まえた訳なので、安い代金で送るのを嫌がる。みんなメーター料金の二倍以上の金額を必死の形相で求めてくる。

他のタクシーがお客さんを捕まえていても、先頭のタクシーが出発しないと出ることができない。

先頭のタクシーがお客さんを捕まえられていなかったので、全然出発しない。当然、後ろで待っているタクシー運ちゃんが怒り始める。

もうてんやわんやだ。

酒仙駅での先頭タクシーは大型のバン

酒泉で夜中の1時に降りた時は、タクシー列の先頭が大型のバンだった。

普通車より高いし、客引きもうまくないから誰も先頭のバンには乗らない。後ろのタクシーばかりにお客さんが乗っているが、先頭のバンが出発しないので、後ろのタクシーも出発できない。こっちは疲れているのに、タクシー業界のわけのわからないシステムのせいで夜中に待たされるなんて最悪すぎる。

僕は列中にはまり込んだタクシーを降りて、流しのタクシーを拾いに行こうとした。運ちゃんは「タクシーはここ以外では拾えないよ」などと自信満々に言ってくる。

なぜてめえらのシステムにこちらが合わせなければならないのか!

また、先頭のバンが全然出発する気配もない!

怒鳴り散らしながらその場を後にして、大きな道路に出た。

深夜の大通りは、流しのタクシーどころか車一台も走っていない。

今更タクシー乗り場に戻れないしどうしたもんかと思っていたら、むこうからタクシーがやってきた。

どうやら、行列に加わらずにいたタクシーがいたようだ。

タクシー乗り場に並んでいるタクシー運ちゃんが、こっちを見て遠くからわめいていたが、なんのことはなくタクシーに乗れた。

このタクシー運ちゃんは、タクシー業界の慣例を破ったわけだから、少し多めにわたしてあげようと思う。

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