AKB総選挙でわかった日本人に足りないもの
茂木さんの連続ツイート 引用
Aま(4)武道館で行われた「じゃんけん大会」にやはりテレビの仕事でおじゃました時、じゃんけんという偶然に賭ける彼女たちの真剣さ、まっすぐさに打たれた。この一瞬、に向かった表情が、太陽そのもののような輝きを見せていたのである。「アイドル」と油断している人は、その光を見ているか。
Aま(5)ぼくは、AKBの顔と名前が一致しないおじさんだが、彼女たちが日本人の心を惹きつける理由はわかる。「総選挙」にも現れる、「ガチの勝負」のすさまじさ。言い訳は利かない。その人の吸引力のようなものが、ストレートに現れてしまう。今の日本に、そんな勝負がどこにあるか。
A8(7)「アイドル」のことと偏見を持っているような日本の社会の「まとも」の方が、よほどガチな努力をしていない。受験だって、家庭の経済力で塾や家庭教師の差がついて、本当はガチな勝負ではないと、みんなわかっている。既得権益のおじさんたちは、ふんぞり返ってサボっている。それが日本。
A8(8)AKB48から、学んだらいいんじゃないか。全力でぶつかって、ありったけを込めて、それでも、結果は残酷に現れる。そんな「ひたむきさの元素」のようなものを、彼女たちの総選挙や、じゃんけん大会から学んだらいいと思う。そろそろ、本気を出してもいいんじゃないか、日本。
引用終わり
Twitter上ではAKB総選挙が盛り上がっていた。
いちばん多かったのが、AKB総選挙に熱中している日本人(主にオタク)を野次るツイートだった。
その中で茂木さんが、そういうのを吹っ飛ばすツイートをしていたのが印象的だった。
もちろん、この選挙は金で票を買えるだの、オタクの純な気持ちを利用しているだの、ざこば師匠は「こんなもん、宗教と一緒や!」と言うなど(前回の総選挙時にちちんぷいぷいで)、色々と議論の余地はある事かもしれない。
でも、茂木さんはそんなマイナス部分のことなど目もくれていない。
茂木さんは逆に、大成功しているアイドルグループを卑下する事に快感を覚えるようになった日本人の性根にこそ、今の日本が抱える根源的な問題が内包されているのではないのか、と問うている。
茂木さんは、AKBの成功要因をこう分析している。
「じゃんけんという偶然に賭ける彼女たちの真剣さ、まっすぐさに打たれた。この一瞬、に向かった表情が、太陽そのもののような輝きを見せていたのである」
彼女たちのひたむきに頑張るその姿が、太陽のような輝きを放ち、熱源となって周囲を魅了しているということだ。
その「熱」こそが今の日本に一番足りないのではないかと茂木さんは言っている。
熱は、文字や映像に乗って伝わることはない。
その場に、その熱を発している人と同じ空間にいないと伝わらない。
野次る人たちはたぶん、こういうアナログな、本気の人が発する「熱」に触れる機会が少ないのかもしれない。
しかし、その本気の「熱」に触れたオタク達が、自らができる最大限の「熱」でもってお返しした。
それは、CDをアホみたいに買って投票するという行動だった。
その行動自体は、あまり感心できることじゃないかもしれない。
でも、オタクをそこまでさせるに至ったAKBが持つ「熱」の力というのを、今の日本人達は軽視しすぎなのではないか。
僕の前職でイベントの仕事をしていた時、フィナーレ部分の演出でAKB48の歌を流していたことがあった。
みんな最初は
「え~AKB48とか笑」
って言っていたけど、リハーサルで何回も聞いて、いざ本番の時に最後を飾る音楽としてAKBが流れたときは、すごい感動した。たぶんこれが他のアイドルグループだったら、ここまで感動しなかったように思う。
ここにはやっぱり、
「若くして本気で純粋に頑張る姿の美しい熱さ」
があって、これはAKBにしかないものだと思う。
そういう目に見えにくいことが、歌声を通して伝わってくる。
この熱こそが、何かを成し遂げるための大きな力の源であり、熱を発するAKB48に惹かれて反応する日本人こそが、これからの日本を変えていく大きな可能性を持った人たちになりうる茂木さんは言いたいのだろう。