ウランバートル市内を走っているバスは、スリがいたり、外国人嫌いの人から危害を加えられたりする恐れのある乗り物で観光客は基本的に乗らないほうがいいとされている。
確かにバスは危ないけれども、モンゴル人のふとした優しさを垣間見ることが出来る乗り物でもある。
例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが乗って来たら、どんなに怖そうな兄ちゃんでもすぐに席を譲るし、バスに乗り込む時にふらついている人がいたら、みんなで押してあげたり腕を引っ張って車内へ入れてあげたりするような光景が、当たり前のようにある。
モンゴル人は、お互いが知らない人同士であっても全く関係なく、モンゴルで生きるかけがえのない人々で助け合うという思想が、モンゴル人を形作る基本要素として存在しているように思う。
そのような一面を垣間見ることが出来るのも、バスのよいところではないだろうか。