鍛冶を学ぶ旅 4日目 古式鍛造コース初日

お宿を出発し、この橋を渡って今日から古式鍛造コースの初日がスタート!!

古式鍛造コースっていうのは、昔ながらの鍛冶のやり方を学べるコース。
詳しくはコチラ

まずは工房の火入れから


黒い石みたいなのはコークス。
石炭よりも、高温で煙が出なくてカスも出ない優れもの!!


新聞紙を丸めて着火、その上に最初の火付け用の石炭をかぶせてさらにコークスで覆って完成。
空気を送る装置があるので、結構簡単に火がつきました。


これぐらい燃え上がったらとりあえず火入れは完成

前後するけど、日本刀の素材に使われる玉鋼について簡単に説明しておく


一番右がたたら製鉄で取り出した玉鋼で、これを鍛錬していくと左のような感じになっていく。

そして使える素材になったのがこれ。
層になってるのがわかる。

これだけの玉鋼で9000円ぐらいするらしい。
普通、刃物を作るような鉄はこれぐらいだと数百円。
でも玉鋼という代物になると値段が一挙に20倍ぐらいになる。
それぐらい玉鋼を作るのは手間ひまかかるみたい。
ここの工房では玉鋼をたたらで作る事ができる日本では珍しいところなんだけど、僕のコースは鍛冶の方なので詳しくはわからなかった。

では実際の鍛冶に入っていく!
基本は、炉に鉄をくべて熱し、ハンマーで叩いて形を刃物に近づけていくというもの。

包丁の場合
まず、素材に線をひいて切断するところを決める。

切断するところを熱して、熱い状態で切断用のノコみたいなのをハンマーで叩きまくって切る。

切った素材の完成イメージ
これを叩いて包丁の大きさにしていく。

鉄を熱する温度
鉄を熱するのは上限の温度があって

だいたいこの写真の一番輝いているところぐらいの明るさが限度(もうちょいいけるかも)
これ以上熱くしてしまうと、鉄の組織が崩壊して刃物として使うには弱い代物になってしまう。
(鉄が崩壊すると、線香花火みたいな火花が出る)

かといって、低い温度のままだと鉄が硬くて形を変えるのが難しい。
そして何回も熱したり冷ましたりしていると、鉄も少しずつ弱くなっていく。

この温度の案配が難しかった。

包丁の形を作る

頭を叩いて丸くして、横に寝かせて平べったくしての繰り返し

素材を固定するのが難しい。
ハサミのようなもので固定するんだけど、めちゃくちゃ熱いし、固定できていなかったらハンマーで叩いた衝撃で自分に向かって飛んでくるかもしれない・・・
800度の高温なので、皮膚にあたったらどうなるんだろう・・・

たたいてるわし

怖いので腰がひけてる

ちなみに今はハンマーで少しずつ刃物を作っていくようなところはほとんどないらしい。


こんな叩く機械に形を作ってもらうそうだ。
音と衝撃がすごいので、初心者のぼくには危なかったから先生にやってもらった。

形を変えたいところを、こんな感じで熱する。
これは包丁の持つところを熱している。

そんなこんなで形は完成(写真なかった)
<b
r>次は鉄の強さを強める工程、焼き入れだ。
鉄の温度をあげて冷やすことで、鉄の組織を固める。

焼き入れは真っ暗な状態で行う。

焼き入れするのにベストな温度というのがあって
磁石がくっつかなくなるぐらいの温度がベスト。

焼いた鉄にこの磁石を重ねて温度があがりすぎないように注意深くする。

難しいのは、包丁全体の温度を均一にしなければならないことだ。
ムラなく温度をあげるためには素材の太いところと薄いところを熱する時間を調整しなければならない。
包丁の先っぽとかは、すぐに熱されてしまうので注意が必要だ。

そして良い温度になったら、水に突っ込んで100度にする。
冷たい水につっこんで、100度になったら引き上げなければならない。
どうするのか。

水に突っ込むと、じゅわじゅわーっとすごい音がする

そして1秒ぐらいすると、包丁から水泡が出てくる

この丸で囲んだところらへんに出てる(はず)

これがでてきて刃物から離れたなという瞬間に引き上げると100度になるらしい。

だいたいここまで水にぶちこんでから1.2秒ぐらい。
刃物の厚さによっても変わってくるのでかなり難しい。
最初は水泡なんか全く見えなかった。

しかも100度より温度を下げてしまうと、包丁がまっぷたつに割れてしまうという恐ろしいことが。

だからもー自分がやるときはスーパー緊張した。

熱いから腰がひけてる

熱い

そしていざ!ジュー!

割れるのがこわいので、はやめに引き上げた。
やっぱり熱すぎたので、もっかい一瞬だけ水につける。
冷やしすぎるとダメだけど、熱すぎるのはまだやりなおしがきくのだ。

冷やした直後の15秒以内は、まだ形をなおせるので、細かい調整を先生にやってもらう。
15秒以上ハンマーで叩いていると、鉄の組織が完成したところに衝撃がいくので、割れてしまう。

そしてもっかい200度にまで熱して、自然に冷まして完成!

鉄をもっかい200度にまであげることで、さらに鉄の組織が強くなるらしい。

初日にしては色々とたらふくできました!!!

明日からは、
削る機械でアウトラインを作って、砥石で削って、刃を入れる作業をに入ります!

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