モンゴルで一年生活して 出国前の最後の日に・・・

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モンゴル人はみんなモンゴルが大好き

「モンゴルはどうだ?」モンゴル人と会話するとほとんどの人が聞いてきます。「夏のモンゴルは最高です!」って答えた時の嬉しそうな顔がたまりません。モンゴル人はみんなモンゴルが大好きな人達です。大好きと言ってもナショナリズム的な変なものではなく、なんというかごく自然に生まれ育った大きな大地を愛している、という感じです。自分の国を素直に好きだと表現している姿は爽やかでいいですね。

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日本人だというだけで親切にしてくれる

モンゴル人は日本人が大好きです。僕もたくさんのモンゴル人にとても親切にしてもらいました。特に日本へ留学していたり日本で生活したことがある人たちは特に親切です。あるモンゴル人が「僕が日本に居たときは日本人に本当にお世話になった。だから僕はモンゴルへ来る日本人に親切のお返しをしたい。僕が親切にするのはあなただからじゃなくて、日本へのお返しです。だから日本人に感謝してくださいね。」なんというか恐縮してしまいます。

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モンゴルの犬は賢い

厳しい自然を人間と共に生活しているからでしょうか。モンゴルの動物が賢いと感じることがままあります。偶然かもしれませんが冬の夜空に瞬く星空を一人で眺めていると、気づいたら横に寄り添うように犬がちょこんと座っていたことがありました。僕を心配するような表情をしながらも、横でちょこんと一緒に星を見てくれていました。

夜は人間を守るために家のまわりを警戒してくれて、狼が来たら吠えて戦って撃退してくれます。犬とモンゴル人の関係はとても素敵なものでした。

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モンゴルについて気になったところ

言論の自由がない

モンゴルには言論の自由は無いと思います。Twitterで国の政策を批判したら捕まったといったような表面的な言論の自由がないだけではなく、モンゴルで生活する人々の中にも自由な言論を喜ばない風潮があります。

僕はモンゴルにきて最初の半年ぐらいは、モンゴルの変なこととか嫌な思いをした事をFacebookで書いたりしていました。するとその投稿に対してかなりの確立で「たけしさんはちょっと言い過ぎだよね」とか僕の投稿に対してその意見の間違いを指摘するような書き込みが何回かありました。僕は意見に対して意見してくれるのは嬉しいのですが、この手の投稿にはあまり好ましい印象を持ちませんでした。そのためモンゴル滞在の後半は極力モンゴルについて批判的なコメントは書かないように心がけていました。

モンゴルという国は大きな国です。良いところも悪いところも日本とは比べ物にならないぐらい大きな国です。「モンゴル人について序論」で書きましたが、モンゴル人はスケールの大きさが半端ないです。モンゴル人を理解するのに日本人の常識はあまりに小さすぎます。

そのためモンゴルの悪い面に目を向ければ数限りない悪が出てきてしまいます。良いところが大きい反面それは仕方のないことだと思います。だからモンゴル人はそういう悪いところだけを切り取って世間にさらされるのが嫌いなんでしょう。

もちろんその気持ちはわからなくはないですが、そうやって目に触れないように臭いものに蓋をする姿勢に僕は疑問です。本当にモンゴルが好きで良くなって欲しいと考えているのなら、悪い面を赤日の元にさらして風通しをよくして改善を図って行く方が健全ではないでしょうか。ちょっとそこがモンゴルで気になったところでした。

日本について気づいたこと

日本の自然とモンゴルの自然の違い

モンゴルにいて日本について気づいた事もありました。

自然の違いです。日本とモンゴルの自然は対照的といっていいぐらい違います。

日本の自然を一言で表すのには適した言葉が見当たらないのですが、あえて言うなら「温かさ」だと思います。

日本の自然にはあらゆる生き物や生き物でないものが混ざり合いながら棲息しているような自然を形成しているように感じますが、モンゴルには生き物がそれぞれ独立した個として生きあっているように感じます。動物までもが個としてあらねば生きてゆけない厳しい自然のモンゴルと、あらゆるものが複雑に絡み合いながらみんなまとめて生きている日本の自然という、自然の種類の違いを感じました。

もちろん僕はモンゴルの開放的で涼やかな自然は大好きですが、日本の山にあるようなまとわりつく多様な者達という感覚がモンゴルにはないため、モンゴルの自然からはともすると寂しさを感じることもままありました。でもその寂しさは自然に「モンゴル人」が付加されることによって温かさに変わって行くのですが。

これは要するに、日本は自然だけでその完成された世界があり、そこに人間は不要か極小なものとしてしか存在できませんが、モンゴルでは自然にモンゴル人が入ることでその世界が完成されるという趣があるように思います。モンゴル人は人間として自然に君臨するのではなく、動物界のボスとして自然の一段下に立って生きようとしている考え方があるが故にそのような自然への接し方になったのではないかと思います。

日本の自然が一番?

僕はモンゴルに来て「日本の自然は世界一だ!」と思いました。これはモンゴルの自然がよくなかったとかそういう話ではなくて、僕の身体には日本の自然に身を置かないと癒されない何かがあったというだけことです。それはもちろん僕が日本で生まれ育ったからですね。

日本に留学していたモンゴル人が言っていました。「日本へ留学して一番良かったことは、モンゴルの自然や芸術がすばらしいものだということに気づいた事だ。モンゴルにいる間は気づかなかったけど、モンゴルで吹く風はどんな時でも僕の頬を優しくなでていってくれる。こんなすばらしい自然は他にはない」

モンゴルで生まれ育った人はモンゴルが世界一、日本で生まれ育った人は日本が世界一。こういう感じ方をするのが人間として自然名事かなと思いました。

母国の良さを知るためだけに海外でしばらく生活するという選択肢も僕はアリだと思います。

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終わりに

さて、熱く色々と書いてしまいましたが、僕もモンゴルへ来た人と同様にモンゴル人の温かさにたくさん触れて、お世話になってきました。色々と仕事もさせてもらっているのでちゃんと儲かりながら良いサービスを提供してもらえるように引き続きお手伝いしていこうと思います。モンゴルは今現在経済的には悪い環境にありますが、中国とロシアと近づいたことで日本も今まで以上に支援せざるを得ないという、政治的には成功をおさめつつあるように思います。モンゴル人は個々人の能力が高いので、これからの個人が伸びて行く世界では活躍出来る人材がたくさん出てくると思います。モンゴルはまだまだ発展するでしょう。

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