外国人技能実習生は給料の約50%が仲介業者にとられている

モンゴル人の友達で、技能実習生として日本で働いていたり、送り出し機関として仕事をしている人がたくさんいる。

最近、残業代が払われていないとか、最低賃金以下で働かされているなどの問題をよく聞くようになったので、ちょっとまとめてみようとおもう。

外国人技能実習生とは

外国人技能実習生とは、日本で技術を学んで途上国である母国の発展の役にたってもらおうという仕組みだ。

だが現実は、外国人技能実習生からすれば日本への出稼ぎ労働でしかなく、受け入れ側の日本としては低賃金の労働者でしかない。

外国人技能実習生として日本にくるまでのステップ

1、途上国の送り出し機関が技能実習生を選定。

2、送り出し機関は技能実習生候補者に対して日本語を3ヶ月ぐらい学習させる。

3、日本側の組合(外国人技能実習生を受け入れて教育し、会社へ送り出す機関)が、途上国へ行き、現地で技能実習生を面接して受け入れる人員を選定。

4、日本で組合が日本語などを教育し、各地の会社へと派遣。3年間働いて技能を習得して母国にて生かす。

組合は派遣会社をどぎつくしたようなもの

外国人技能実習生を受け入れる組合とは、教育と管理を任されている非営利の団体。

組合は1ヶ月の給料から一人につき4万円~7万円ぐらいを得ている

日本に到着してからも、日本語や日本文化の教育や、派遣先企業との折衝などやることたくさんなので、組合は外国人技能実習生の1ヶ月の給料から一人につき4万円~7万円ぐらいが報酬だ。

送り出し機関は1ヶ月に5000円~3万円ぐらいを得ている

途上国側の送り出し機関も、日本語を現地で教育して送り出すため、1ヶ月に5000円~3万円ぐらいが報酬だ。

日本の雇用側の会社が18万円払ったとしても、そのうち半分ぐらいは組合と送り出し機関に中抜きされていることになる。

外国人技能実習生にお金が渡るまでに半分近くが仲介業者によってとられているのが現状

50%もピンハネされるってすごい。。

これは一体なんなんだろうか。

かく言う僕も、モンゴルの送り出し機関の人間として、組合に営業をかけて交渉を行った過去がある。

幸い?契約に至らず外国人技能実習生ビジネスに加担することは免れたわけですが、僕の友達のモンゴル人の中に、送り出し機関として仕事をしている人が何人もいる。

うまくやれば、結構儲かるらしい。

技能実習候補生として日本語を学ぶモンゴル人へ日本語を教えていたときのこと

日本語を学んでいるモンゴル人から、「私の学校にきて先生をしてほしい」と昨年頼まれ、一度だけ会話の先生として送り出し機関で日本語を学んでいる人たちと接したことがある。

「先生、日本へ行けば月に8万円もらえるそうですが、これは大きな金額ですか?」

「私が行く会社は〇〇という会社ですが、どんな会社ですか?」

などと聞かれた。

アルバイトだと2.3万円ぐらいしか稼げないモンゴルでは、8万円という額は魅力的だろう。

だが、日本での生活費や大変な日本での仕事に直面した学生は、「こんなはずじゃなかった。モンゴルに帰りたい」と話すのをよく聞く。。

違法行為が蔓延している

送り出し機関で働いている人に聞いたところ、組合からこのような受入条件を提示されたとのことだ。

1.事前講習費はお支払いしません
2.日本への渡航費用もお支払いしません
3.期間満了での帰国費用は、日本側が負担します
4.管理費は、月5,000円/1
途中帰国・行方不明について
 企業配属後、3ヶ月以内の途中帰国・行方不明 300,000
    〃    6ヶ月以内の     〃       200,000
    〃    12ヶ月以内の     〃       100,000
    〃    12ヶ月以上の     〃             0
以上を受入企業の損害金として、請求します。

管理費というのは、送り出し機関の収益となるピンハネ分のことだ。送り出し機関によっては、日本語教育を三ヶ月ぐらい無料で行うところもあるので、この管理費が5000円というのはいかにもきつい。

高額な損害金

また損害金というのは、派遣されたモンゴル人が途中帰国や行方不明になった場合に送り出し期間が払わなければならない金額のことである。

モンゴル人は日本での技能実習生の中で、諸外国に比べて行方不明率が世界一らしい。そのため、モンゴル人を雇う側の組合は、このような損害金という形ですぐに逃げられても損失がでないように防衛線をはっている。

この損害金は誰が払うのか。月に5000円ぐらいしかもらえない送り出し機関が普通に払える額ではない。

結局は、技能実習生の負担になり、預け金という形で送り出し機関に収めることになる。

損害金補填のために事前にお金を預かることはモンゴルでは違法だと聞いたが、こうでもしないと逃げられてしまうので、仕方がないのが現実だろうか。

学んだ技能は母国で使えるのか

技能実習生は、日本で技能を身につけて母国で役に立ってもらうために働く。

だが、人手不足の日本社会にあって、外国人技能実習生のために役に立つ技術を学ばせることなどできるのだろうか。

日々の業務に追われて、ただのルーチンワークをしているだけになったり、そもそも学べたとしても、テクノロジーの進化でどんどん仕事がなくなっていく人工知能時代にあって、役に立つのか立たないのか誰もわからないだろう。。

わたしの仕事、ロボットに奪われますか?

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/ft-ai-job/

外国人技能実習生の仕事内容を検索してみると、以外に大丈夫そうだった。

日本人が派遣でやっているような、なんとかオペレーターとかコールセンターとか営業事務とかの、微妙に時給が高そうな仕事の方がすぐになくなってしまいそうだ。

手に職のない日本人の方が危ない時代がもうすぐそこまでやってきている!

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