北方水滸伝13巻 書評 「転換の章」

水滸伝 13 白虎の章 (集英社文庫 き 3-56)/集英社
¥630
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僕のバイブル北方水滸伝。
今日は13巻を書評してみよう。
なぜ13巻?
理由は本文に
北方水滸伝は、叛乱軍である梁山泊軍と宋国の官軍(以下官軍)との戦を描いたお話。
この梁山泊と官軍が激しくぶつかり合う戦闘シーンがこの北方水滸伝一番の見所だ。

そして「戦」という面からみてみると、

13巻で飽きさせないための大きな転換点があることに気づいた。

「攻守の転換」だ。
物語のはじまりで梁山泊が旗揚げした当初は、

巨大な官軍に対して常に寡兵で挑戦していくという立場だった。

それは、装備貧弱なれど意気揚々なフレッシュマンが、

鋼鉄を身につけて動きの遅いグランドファーザーに対してあの手この手で挑む!

といった感じだった。

そして梁山泊は連戦連勝していくわけだが、官軍もだまってやられているわけじゃない。
青蓮寺という宋国を影から動かす闇の組織が、梁山泊への反撃を試みる。
この組織はの行動範囲は多岐にわたり、

でかくなりすぎて身動きのとれなくなったグランドファーザー官軍に対して、後ろからあちこちを刺し、

汚く悪い血を吐き出させて官軍を生まれ変わらせようといった、

梁山泊に勝つためには手段を選ばない強力なライバルとして立ちはだかる。

青蓮寺の方針は腐敗した官軍の粛清に加えて弱い官軍を戦にどんどん送り込むことで強いものは生き残り弱いものは死ぬという徹底したスリムアップを図った。
その過程で官軍の若くて優秀な将軍候補を拾い上げ、梁山泊に対抗できるまでに育て上げていく。
そしてついに13巻で官軍の大々的な反撃が始まる!
官軍の精鋭部隊である禁軍には趙安将軍、

重要拠点である北京大名府軍には董万将軍という二人の若いエースが対梁山泊の主役として表舞台に登場する。
二人は裏組織の青蓮寺ともうまく連携をとりつつ、若さゆえの大胆な作戦や奇策によって梁山泊に対して挑戦を仕掛けていく。
梁山泊側も官軍から引き抜いた老練な元将軍である呼延灼や関勝、

そしてヤクザの親玉だった穆弘の三人が梁山泊本隊を率いて若き官軍エースの挑戦を受ける。

そしていつの間にか攻守は入れ替わり、挑戦するフレッシュマンは官軍となり、

受けるゴッドファーザーは梁山泊になっていた。
官軍が反撃を開始することで、ますますお互い戦の駆け引きが熱くなる!

互いの知力と力をぶつけ合う壮大な戦いが今まさにはじまろうとしている!

そしてこの後にやってくる北方水滸伝のクライマックスには、

宋国禁軍を率いる童貫元帥が最強のスーパーゴッドファーザーとして梁山泊に立ちはだかる・・・

最後まで休むことなく駆け抜けていく男たちの戦ぶりを刮目して読むべし!

後悔はさせない!

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