中国と韓国が日本に対して怒っている本当の理由(参考図書 おどろきの中国)

日露戦争までの日本は、
自国の利益を考えるとともに、古いしきたりに縛られ近代化を独力で成し遂げることの出来なかった中国や韓国に対して
「近代化のお手伝いをしてあげる」
といった大義をも拠り所として戦争をしていた気配があった。
しかし日中戦争が勃発したあたりから、
知らず知らずの間に日本は日本の利益のためだけに戦うようになっていった。
中国からすれば、日本は古来より技術や文化を与えてきたのだから、
自分たちの仲間だと思っている。
そしてその日本が先に近代化を成し遂げたのだから、
その力で中国と韓国の近代化を阻む勢力を一掃してくれると期待している人たちもたくさんいた。
日本はそこで恩返しをするのが真っ当な道だった。
しかし世界情勢はそんな呑気なことを言っていられる状態ではない。
小さな日本は、領土を増やさないとソ連に対抗できないと戦々恐々していた。
だから日本は中国を一気に屈服させてソ連との戦に備えようと考えていた。
このためあまり深く考えることなしに中国へ攻め込み、首都を落としたらすぐに降伏するものと考えていた。
しかし結果は中国の徹底抗戦により泥沼の戦となって、
混乱の元でたくさんの人が死ぬことになる。
その後戦争が終わってその責任を追及する段階になると、
日本は誰が主導的に戦争を遂行したのかわからないなどと言う。
A級戦犯にされた人は口を揃えて
「私が戦争を推進していたわけじゃない。
大本営は戦争に反対できるような空気ではなかった。
それに従っただけだ。」
などと語る。
これはどういうことか。
日本は空気に率いられた軍隊だったのか。
普通に考えれば、日本軍を率いていたのは天皇陛下だろう。
だから戦争責任が誰にあるかは明白なはずなんだけど、日本としてはそれだけは認めれない。
日本国の根幹にあたる天皇制を存続させるためには、天皇陛下に戦争責任をとらせることはできない。
これ以上戦争を続けたくない連合国側としては、戦争責任をA級戦犯だけに押し付けてお終いにすることで決着をつけることにした。
しかし日本人はA級戦犯が悪かったとそこまで思っていない。
罪を押し付けられた可哀想な人たちだと思っているところもある。
だから日本人としても、A級戦犯が首をくくられたことで戦争責任は済んだと思っている。
というか、もう謝ったし、お金も出したし、もう戦争責任は果たした。
だから中国と韓国は、なぜいつまでもあの戦争のことを蒸し返すのか不愉快極まりない。
ただ日本からお金をとるための恐喝のために使っていると思っている。
しかし、中国と韓国にしてみれば、日本の戦争責任は曖昧なままだ。
日本はなぜ中国へ攻め込んだのか。
誰が主導的に戦争をやったのか。
これがわからない。
A級戦犯の人たちは空気に流されたという。
でも天皇は悪くないと言う。
じゃあ関東軍が勝手に始めたことだとすると、日本は軍を制御することもできないまともな国家ではなかったということになる。
そんな国家に韓国は領土を併合され、中国は二度も首都を落とされた。
こんな国に独力では勝てないほど自分たちが弱かったという事実も中国と韓国自身は許せない。
日露戦争あたりまで、
日本は中華圏を欧米から救う正義のヒーローとして見られていた部分も確かにあった。
だけど空気に支配されていた日本は自分の立ち振る舞いが変わっていきつつあることに自分でも気づいていなかった。
だから日中戦争の時はヒーローのお面を全面にかぶりながら、領土も欲しいという強盗のお面が後ろについているような感じだった。
しかも、その軍は誰が指揮していたのかわからないという状態。
すごく曖昧だ。
この曖昧さに対して中国と韓国は怒っている。
日本としてもその立場が曖昧なために、人によって意見がころころ変わる。
日本国としての一致した見解というのが建前的な話しかない。
ぶっちゃけ中国と韓国にしても、侵略戦争のつもりだったのならそれでもいい。
はっきりと、
「最初は黄色人種を救うヒーローのつもりだったけど途中から領土が欲しくなった。
そうなった理由は◯◯のせいだ」
などと認めて責任の所在をはっきりさせて欲しい。
そうすれば、今後戦争を防ぐためにどうすれば良いかがわかる。
でも今は空気がやったということになっている。
なんとなくの雰囲気に流されて戦争へと向かっていったということになっている。
ということは、日本も空気が変わればまた戦争へと突っ込んで行きかねないということだ。
空気に支配されかねない国だから、日本の自衛隊の戦力は制限され、文民統制と憲法によって暴発するのを防いでいる。
それでも日本の識者といわれるかしこくてまともな人たちの中から憲法を変えようとか、侵略戦争ではなかったとかいう話がいっぱい出てくる。
やっぱり本当のところなぜ日本が戦争をしたのかをみんなわかっていない。
中国と韓国が求めていることは、日本が何を目的として戦争をしたのか。
誰が戦争を遂行していたのか。
この点を明確にして欲しい。
でも日本にとってはこれを明確にする事はできない。
せっかくA級戦犯を作って責任を押し付けて終わらせたことをもっかい掘り返すことになってしまう。
だからたぶん、この問題の決着をつけるにはまだまだ時間がかかる。
たぶんそのタイミングは、天皇制が少し変化する時か、代が何代か変わってからになると思う。
というわけだから中国と韓国はそれまでおとなしくしていよう!
終わり。

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