1部屋5万円の部屋で虫が出た
毎年のようにモンゴルへ来られる方が、みんな知っている大企業の取締役だったお友達を連れてモンゴルに来られることになりました。
偉い人だし、ホテルの経営もしている会社だったので、モンゴルで一番の呼び声高いハーンリゾートをお勧めし、草原での豪華なゲルスティを楽しんで頂くことにしました!
1部屋5万円(朝食付き)で、ゲルの中のバスタブから窓越しにモンゴルの大草原が眺められるという最高のロケーションです。
僕もいつか余裕ができたら家族みんなで泊まりに行きたいと思っていたところです。
ところが。
旅行後に
「部屋でくつろいでいると、ハエがたくさん出てきてビールグラスに突っ込んでくるし、夜の11時頃、洗面台のところに甲虫類がワラワラと山のようにでてきて、気持ち悪くなった。部屋を変えてもらったが、車で移動しないとダメだったり、翌日の支配人からのお詫びの言葉もあったが、あそこは良くないところだね」
といったお言葉をもらいました。
お客様の怒りとしては、虫がたくさん出てきたことよりも、その時の対応を含めた全体的な印象として、納得できないということだと思います。
やはりモンゴルに行くことに決めた時点で、先進国のホテルのような環境ではないことは理解さられていると思いますが、それでもハーンリゾートは日本が経営するホテルでもあり、モンゴルで一番高級なゲルホテルの部類に入るところでそのようなことが起こったことがちょっと信じられません。
一泊50,000円ですよ。
予約の時に「いますぐ半額を振り込むなら予約できるが、できないなら予約は出来ない」というやりとりがあり、日本から急いで送金したこともありました。
こういうことも含めて納得できません。
幸い、ハーンリゾート以外のツアー行程は満足いただけたので、またモンゴルに来ていただけると言っていただけましたが、僕としてはショックがとても大きかったです。
好きだった彼氏の気配なんて全くない純潔アイドルが、8股をしていたことを知るぐらいのショックです。
ハーンリゾートを作った会社は僕にとって、大企業なのに新しいことにどんどんチャレンジしている尊敬する企業です。
高級ゲルホテルを作ったという話を聞いて、さすがだなぁ!と思いました。
高級ゲルに泊まって快適なサービスを受けながら、大草原の素晴らしさも同時に味わうことのできるすごいところだと思っていました。
間違いなく、モンゴルを代表する最高のゲルホテルだと。。
モンゴルの高級ゲルホテルのサービスがダメだからといって、遊牧民のゲルがもっとダメなわけじゃない
僕がこの件で一番問題だと思うのは、「モンゴルで一番高級なゲルホテルがこのレベルだったら、ほかのゲルやまして遊牧民のゲルなんかに泊まったら偉いことになるんじゃないか」
という誤解を与えかねないことです。
ここできっぱり言い切っておきますと、遊牧民のゲルではハエなどは普通にでますが、甲虫類のような虫がわらわらでてくるなんていうことはあり得ません。
遊牧民は定住がもたらす悪弊をわかっているので、季節ごとにゲルを畳んで、トラックに乗せて移動することを必ず行ないます。
移動することで不衛生になることを回避する
移動は家畜のために草の多いところへ移動するという目的もありますが、定住によって不衛生になったりすることを避けることも理由の一つです。
遊牧民のゲルは、草の生えた地面の上に薄いカーペットのようなものをひいただけで生活していますが、汚いと思ったことはありません。
乾燥していることがその理由ですが、牛のバカでかいうんこが、草原で数日たてばコロコロと骨みたいな色になって、手で持って火にくべることができます。紙みたいになります。
暖炉にくべられたうんこによって暖められる自らの姿を眺めてみると、わかることがあります。
「モンゴルの文化は深い」
遊牧民のゲルだから、ホテルよりも汚くて不快というわけではありません。
むしろ遊牧民のゲルの方がいいところもたくさんあります。
ハーンリゾートに宿泊されたお客様も、「これだったら昼飯を食べた小さなゲルに泊まればよかったよ」
と言っていました。
なぜハーンリゾートに満足してもらえなかったのでしょうか。
問題は不衛生なことよりもスタッフのオーナーシップのなさ
虫がでたことよりも、スタッフに問題があると思います。
いから虫がでたと言っても、スタッフが丁寧に対応すればここまで不愉快にはならなかったと思います。
またスタッフにおもてなしの思いがあれば、虫がウヨウヨしている部屋をそのまま見過ごすはずがないでしょう。
遊牧民の家なら、家族の誰かが必ず掃除をします。
私の家だからです。
しかし、ハーンリゾートは私の家ではなく、ただの職場です。スタッフも自分ごとと捉えることができないために、こんなことが起こったのだと思います。
最近はサービスの良いアルバイトの人が減ったなと思っていますが、そもそも時給1000円で働くアルバイトに対して、「ホスピタリティ精神を持って働くべき」と言っても無理な話かもしれません。
モンゴルでも雇われているスタッフは安い給料です。月に50,000円ぐらいしかもらっていないのではないでしょうか。それでやる気を出せというのも無理な話でしょう。
こんな時代だからこそ、オーナーシップをもって仕事ができる遊牧民は、仕事のレベルも高くなります。自分の家にお客さんを呼ぶわけなので、楽しく過ごしてもらいたいし、日本人が遠いモンゴルのしかも遊牧民の私の家に来てもらったというだけで、嬉しいことです。
ホテルでおもてなしするスタッフと、自分の家でおもてなしする遊牧民とでは、お客さんに対する真剣度は段違いでしょう。
ネット時代だからこそオーナーシップを持って仕事をする人がメインになる
インターネットが発達して誰でも小さな社長になれる時代です。
大企業がお金をかけて作り上げるサービスに対して、個人がホスピタリティ精神でもって良いサービスを安く提供することができるようになりました。
僕は今後もホームページ作成を通して、個人でサービスをやりたい人を助ける仕事をしていきます。
現地で実際にサービスを行う人が報われるように頑張ります!