読んだ人だけがわかる ぼくたちの洗脳社会 著 岡田斗司夫 まとめ

読んだ人だけがわかる
ぼくたちの洗脳社会 著 岡田斗司夫 まとめ
もともと薄い本なので、ほぼ重要ポイントを抜き出したり書き加えたりしたものになっています。
説明らしきことは、ほとんど飛ばしました。
読んだことのある人、もしくは時代の変化を敏感に察知している人が、一読しただけでなんとなくわかれば良いかな、と思って作成しています。
思考の流れだけでも追うことはできると思います。
アルビントフラー 第三の波
「今まで人類の歴史を変えてきた大きな変化を波にたとえる。第一の波は農業革命、第二の波は産業革命、そして第三の波は現在起こりつつある情報革命である。」トフラー
あらゆる社会の基本的価値観
堺屋はいかなる時代、いかなる社会にも、社会の共通概念である基本価値観がある、としました。
「豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にくることは美しいと感じる、人間のやさしい情知」
つまりその時代のパラダイム(社会通念)は、「その時代は何が豊富で、何が貴重な資源であるのか」を見れば明らかになるということです。
実際に未来を予測しようとする際に、最も大事なのは「今の時代と未来では、どんな価値観の違いがあるか」ということをはっきりと見極めることです。
農業以前の精神文明
彼らは狩猟採取で生活していました。「今日、食べるもの」のために生活していました。
モノが不足し、常に我慢を強いられる始代人たちの文化は、モノよりも内面、精神世界へ向かいます。
そして彼らは有り余る時間を「思索」というきりのない作業に当て、宗教をつくり、その世界に浸りました。
第一の波 農業革命
「今日食べるもの」に精いっぱいだった彼らにとって、農業は計り知れない魅力に満ちていました。
そしてその農業を維持するため、管理社会と身分制度が生まれました。
そして徐々に管理者の族長はやがて、王様になっていきます。封建制度の誕生です。
引き返せない楔
一旦農業文明を経験すると、不安定な狩猟生活には戻れません。こういった社会変化を、トフラーは「引き返せない楔」と呼びました。
農業文明はモノの豊かな時代です。
その特徴は「写実美術」と「科学する心」です。
古代科学帝国の限界
帝国が極大化した結果、フロンティアはなくなりました。
「モノ不足、時間余り」の中世へのパラダイムシフトが起こります。
中世の人たちにとって、勤勉とは泥棒と同義の犯罪でした。一人がたくさん働けば、結果的に他の人の土地や資源を奪うことになるからです。
そして働かないことが美徳となり、聖職者や世捨て人が聖人と呼ばれて尊敬を集めました。
そして、教会やモスクなどの建造物が複雑な総合芸術としてどんどん建立されていきます。
中世は神の言うことがすべてであり、それを疑うなんていうことはありえませんでした。
しかし、その神が絶対という価値観を、キリスト教によって生まれた科学が否定します。
科学によって生まれた合理的思考によって、神を盲目的に信じるということが、人々には不合理に思えてきました。
中世の終わりです。
第二の波 産業革命
合理主義によって、才能さえあれば誰でも成功することができるということに人々は気づきました。
そして時間を惜しんで働くようになりました。
お金さえ得れれば、この世界のすべてのものが、自分のものになる可能性を秘めている、このような価値観、考え方は、今まで中世の世界で生きてきた人達にとって、大きな魅力として迫ったに違いありません。
そしてこのような近代のパラダイムは、あらゆる点でモノをもっとたくさん作り出し、もっとたくさん消費することをカッコいいと感じ、時間や人手を節約し効率を上げることを正しいことだと感じる、という方向でかたちづくられています。
産業革命によって、それまでの封建主義的身分制度が崩れると、世の中は自由経済競争社会となりました。
しかし、オイルショックによって高度成長にもかげりが見え始めました。
それまで成長すること、発展することは素晴らしいと信じ、努力さえすれば無限に発展していけると考えていた人々にとって、「石油がもうすぐなくなる!」という認識は、本当にショックでした。
資源というのは使えばいつかなくなるものなんだ、と認識し始めたのです。
こういった有限感によって、「モノ不足、時間余り」へとパラダイムシフトしていきます。
これが著者が言う「マルチメディア中世」という現在のパラダイムです。
中世と現代では同じパラダイムですが、決定的に違う点が三つあります。
情報余り、自分らしさを大切にする、勉強したい
です。
ここでの洗脳とは何か?
「多くの人々の価値観を、ある一定方向へ向かわせようとする行為すべて」
同じ言葉を聞かせ続けるとか、一つの価値観を強制するようなことではありません。
自由洗脳競争社会
今までマスメディアに一方的に洗脳され続けてきた一般人が、初めて自分から不特定多数の人に向けて自分の意見を述べるシステムを手に入れた。
こうしただれもが洗脳者になれる社会を、私は「自由洗脳競争社会」という言葉でとらえています。
洗脳社会のキーワード
洗脳社会での「個人のふるまい」には特徴が三つある。
・他人を、その価値観で判断するということ。
・価値観を共有する者同士がグループを形成するということ。
・個人の中で複数の価値観をコーディネートするということ。
また、そういったふるたいの動機になっているのが、「自分の気持ちが一番大事、という価値観」であるということ。
現在進行中の社会変化では「家族」「就職」「規則正しい生活」といった決まり事が失われ、人間関係の自由がさらに推進される。そしてこれらのことは、二度と戻らない「引き返せない楔」である。ということ。

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