私はモンゴル現地旅行会社、日本のモンゴル専門旅行会社、キルギス現地旅行会社の担当者をしていますが、コロナウイルスの影響で2月からツアーの開催不可によるキャンセルなどが相次いでいます。
新規問い合わせもぱったり無くなり、お盆のツアーでもキャンセルが出ている状態です。
日本の旅行会社からも、今年はお客さんがいないからモンゴルを売りたいという話がきたりもしていますが、この状況では今年は海外旅行へ行く人もかなり少なくなるでしょう。
今年はモンゴルの旧正月を楽しもうと思って2月21日にモンゴルへ渡航しましたが、帰りの飛行機がなくなって危うく帰れないところで、2/27のウランバートル発成田行きで帰国しました。
この飛行機に乗れていなかったら4月末まで日本に帰れていなかったと思うとかなり怖いですが、モンゴルで乗馬とボーズ三昧の日々も良かったかな笑とも思います。
さて、これからやってくる旅行会社の大倒産時代に個人が意識しておくべきことをまとめてみました。完全に主観的なものですので、間違いもあると思いますので、適当に読み飛ばしてください。
モンゴルへ旅行に行くためには色々な方法があると思いますが、その中で日本旅行会社、現地旅行会社、現地ガイドを通してツアー予約するときの、メリットデメリットを主観でまとめました。
僕は現地旅行会社側として日本旅行会社とは裁判もしたことがあるので、日本旅行会社はかなり嫌いですので、その辺りを割引ながら読んでください笑
日本の旅行会社でモンゴルへ行く場合
メリット
- 安心できる
- ツアーアテンドが丁寧
- ツアー説明な丁寧
- パンフレットを送ってくれる
- 日本に事務所があり窓口がある
デメリット
- ツアー内容に比べて割高
- 融通が効かない
日本の旅行会社はサービスも丁寧で保証もしっかりしていて安心感があります。
ただ、ほとんどの旅行会社がやっているのは、「現地から安く仕入れて日本で高く売る」これだけです。
モンゴルにも日本の旅行会社からたくさんお客様がきていますが、旅行会社から仕事を受けてみると、現地人には不当に安い額しか支払わなかったり、僕が日本の旅行会社であるジグールインターナショ◯ルと裁判をした時は、お客さんからお金はもらっておいて、実際にモンゴルで仕事をした現地旅行会社にはお金を払われず、裁判費用と合わせてかなりの損失を出しました。
ジグールインターナショナ◯とは裁判して勝ちましたが、強制執行しても口座には既にあらゆるところからの強制執行歴によってマイナス80万とかになっている状態でした。
メールで連絡しても、倒産したらお金を払うを繰り返すのみで、最近では連絡も途絶えてしまっています。
試しに警察に相談してみましたが、実際に返済できなくても返すつもりがあれば詐欺罪も適用できないとのことで、裁判しても逃げられたら全く意味がないなぁと痛感しています。
脱線しました。
日本の旅行会社には安心安全というイメージがありますが、これもどうでしょうか。
てるみくらぶが破綻したときに100万円のハワイ旅行を振り込んでしまった人がいくら返金されたかご存知でしょうか?
帰ってきた金額は100万円のうち1万円だけです。
日本の旅行会社には旅行協会による保証がありますが、実際に手元に戻ってくる金額はそんなもんです。
これから旅行会社は破綻していくと思いますが、既にツアー代金を払ってしまった人は速攻で返金してもらえるように努力すべきです。
インバウンドをやっている会社は日本国から守られると思いますが、アウトバンドだけの会社は守られないと思うので、特に海外旅行がメインの旅行会社は注意した方がいいと思います。
潰れる日本の旅行会社、潰れない日本の旅行会社の違い
潰れる日本の旅行会社
潰れる日本の旅行会社は、右から左に売っているだけの会社です。
彼らは広告費をかけて集客し、たくさん人を送るからということで現地で実際にサービスする人には一人当たり安く支払うことで利益を上げています。
昔のように団体旅行がたくさんあった時代ならこれで良かったと思いますが、旅行内容も多様化している今では、旅行一回あたりの人数は減りつつも会社側で必要な手間はあまり減らないため、現地を圧迫して日本側の利益をあげるしか生き残る方法がありません。
モンゴルでは日本の旅行会社がお客さんからは8000円ぐらいとっていたのに、現地の遊牧民に一泊500円しか払わなかったという話を聞いたことがあります。
遊牧民はお金の話を最初にする習慣がないので、サービスに応じた代金を払うものだと思っていますが、そういう遊牧民の性質を悪用して安い金額しか払わないような会社もあります。
日本の旅行会社は会社運営事態に経費がかなりかかっているので、仕方がないことでもあるのかもしれませんが、今の時代に旅行会社が旅行だけで利益を上げていくことに無理があるのではないでしょうか。
私はモンゴルとキルギスで合わせて3つの会社を手伝っていますが、それぞれ旅行以外の仕事があるか、生活の延長にツアーがあるため経費が全然かからないようになっています。
私も本業?はSEです。これからはそういう会社や人たちが増えていくのではないでしょうか。
潰れない日本の旅行会社
潰れない日本の旅行会社は、現地でキャンプなどを保有していたりする会社です。
キャンプなどの箱があると、固定費がかかりますが、お客さんがくればくるほど利益は増えていきますので、今の時代は箱がある会社の方が有利でしょう。
ただほとんどの日本の旅行会社は、現地で保有していても現地法人が半分入っていたり、実質保有者は現地法人だったりするところがほとんどです。
日本の旅行会社が売っているキャンプも、現地法人側で申し込めばかなり安くなることもよくあります。日本の旅行会社側は現地で受けることを禁止していたりしますが、日本の旅行会社の担当者がお客さんと一緒に現地に来ていない時は、結構自由に受け入れていたりします。
日本の旅行会社は現地で勝手に予約を取られると困る、現地は部屋が空室なのは困るという問題があり、落とし所は難しいでしょう。
モンゴルの現地旅行会社でモンゴルへ行く場合
そもそも、現地に直接頼むのは心配という方もたくさんいらっしゃると思いますが、詳しく解説します。
メリット
- 価格が安い
- アットホーム
- 独特のサービス精神
- ツアー予定を柔軟に変更できる
デメリット
- 保証がない
現地旅行会社で経営が安定しているところのほとんどは日本の旅行会社から受注しているところか、日本の旅行会社の子会社のような形になっているところです。当たり前ですが現地旅行会社に頼むと同じツアーでも安くなります。
僕も現地旅行会社の担当者をしていますが、遊牧民宅は家族が住んでいて馬も保有していますし、ツーリストキャンプも家族が保有しているので経費はほとんどかかっていません。
ツアーのコスパもかなり良く、馬も自分たちで育てているので客観的に見ても僕が手伝っている現地旅行会社のコスパは最高だと思います。
現地旅行会社に直接頼むと、ツアー予定も柔軟に対応してくれるところがほとんどです。
注意点として、現地旅行会社は日本の旅行業協会に所属していません。お金を払ったのに会社が潰れたりした場合に旅行業協会から払い戻し(ただしてるみくらぶの時は1%)などがありません。
また某安くて有名な現地旅行会社に飛行機も含めて頼んでいた方が、当日空港に着いたら飛行機が予約されていなかったということが過去にありました。
その方は現地旅行会社を相手取り裁判をしたそうですが、この場合の裁判はモンゴルで開催になります。
日本人がモンゴルでモンゴル国の企業を相手取り裁判をすることは大変すぎます。モンゴルの裁判官もモンゴル人を贔屓するのは当たり前なので、勝つことも難しいかもしれません。
そもそも旅行代金のためにモンゴルに乗り込んで裁判をするという労力に見合うかはどうでしょうか。
ここが現地旅行会社に頼むときの大きなデメリットですが、そもそも日本の旅行会社に頼んだとしても、てるみくらぶの例ではお客さんが支払った旅行代金100万円のうち1万円しか返金されていないので、そもそも日本の旅行会社でもツアー代金を払ってしまうことはリスキーなことかもしれません。
現地旅行会社なら、直前まで振り込みを待ってくれたり、日本では少額だけ支払っておいて、残金は現地で直接支払えるところもあります。
モンゴルの現地ガイドでモンゴルへ行く場合
メリット
- 安い(ガイドの故郷へ行く場合のみ)
- ツアースケジュールの希望が通りやすい
- 最高のアットホームツアー
- 人生の友達になれる
デメリット
- 保証がない
- 割高になることがある
- ツアー内容が守られない
- 手配力が低い
モンゴル人の日本語ガイドが自分でツアーを主催していることがよくあります。友達にモンゴル人がいる方はこの形態でモンゴルに来られる方も多いでしょう。
会社ではなくガイドだから安いに違いないと思うかもしれませんが、注意点がいくつかあります。
ガイドに直接頼んでも安くならない場合
ガイドは車と自分の体だけで仕事をしていることがほとんどです。
宿泊地、馬代、食事など全て支払うお金になるため、ガイドの故郷へ泊まりに行くなどでない場合は、現地旅行会社へ頼むよりも高くなることがあります。
自分でキャンプ場などを保有していないと、一つのツアーごとに利益を出す必要があり、どうしても自転車操業状態になるので、一度どこかでこけてしまえばお金のやりくりが出来なくなる可能性も高いことが大きなリスク要因です。
今年の夏にガイドさん経由でキャンプ場に来られる予定の方も、ガイドさんの言うツアー代金が後から高くなったから自分で手配することにした、という話も聞きました。
ガイドに頼む最高のツアーとは
ガイドに頼むときに一番最高なのはガイド自身の故郷へ行く場合です。
大歓迎間違いなしだし、ガイドの故郷だから値段も安く、ハプニングや予定通りに行かないことも含めて普通のツアーでは起こらない、いろいろなことを体験できるのでオススメです。
オンリーワンの世界にこの人だけでしか体験できないツアーになること間違い無いです。
書いていて思ったのが、上でも書いた僕が手伝っている現地旅行会社もガイドが自分の家に連れてくるタイプでした。
現地旅行会社と言っても、社員は代表のツォクトだけの一人会社です。実際の運営はツォクト家や親戚みんなで運営しているので、モンゴルツアーで一番オススメする現地ガイドの家に遊びに行くという最高のツアーができているなぁと手前味噌ながら思いました。
欠点があるとすれば、以下の記事に書いたように日本流のおもてなしは出来ていないことですが、モンゴルらしさを無くしてまでツアーをやる意義は無いですね!
馬が時間通りにこないことも含めて、モンゴルらしさを味わって欲しいと僕は考えています(もちろん遅れた分長く乗馬いただけます笑)
以上、コロナによる旅行会社大倒産時代に、旅行者が注意することを書きました。
ご参考になれば幸いです!